新型コロナウイルスについて(その2)

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新型コロナウイルスについて(その2)

あじさい.jpgみなさん、こんにちは。

近畿地方も梅雨入りしたそうで、雨の多い季節になりました。

クリニックの駐車場近くの花壇に、眼にも鮮やかな青いアジサイが咲いています。

登校する子供たちの姿を見ることができるようになりうれしく思いますが、まだ新型コロナが完全には終息していないのがとても残念です。

当クリニックもお陰様で開院1周年を迎えることができました。今後さらに皆様方のお役に立てるように精進したいと思います。

さて、大変遅くなりましたが、新型コロナウイルスについての、臨床ウイルス学専門家の白木先生の緊急投稿の続編をお届けします。


  • ウイルス感染症と細菌感染症の違い

    1. 細菌感染症 細菌に対して炎症が起こるので、抗生物質で細菌が死ぬと炎症が収まり軽症化する。したがって朝に抗生物質を服用して夕方に症状がとても良くなったという効果が実感できる。
    2. ウイルス感染症 ウイルスは細胞内に感染するが、感染した細胞内でウイルスが認識されて炎症性物質(サイトカイン)が産生される。このサイトカインによって、炎症が起こる。感染初期には、ウイルスそのものが炎症をおこすわけではない。またサイトカインによって、発熱、関節痛、筋肉痛などもおこるし、白血球やリンパ球が炎症部位に集まってきて、ウイルスの増えるのをさらに抑えようとする。抗ウイルス薬は、健康な細胞への新規のウイルス感染を阻止して拡大を防ぐが、既に感染している細胞でのウイルス産生が続くため、サイトカインが作られて解熱まで時間がかかる(特に、インフルエンザや新型コロナなどのRNAウイルスの場合)。
  • ウイルス感染症と細菌感染症の治療効果の違い

    1. 細菌感染症 通常20分~1時間で細菌は増殖するが、1回の抗生物質投与で菌が死ぬと炎症が収まり始めるため、即効性を実感できる。
    2. ウイルス感染症 SARSやインフルエンザでは感染6時間後、水ぼうそうでは約14時間で新しいウイルスが作られて増殖する。タミフルのような抗ウイルス薬は、新しく他の細胞に感染するのを防ぐ薬であり、既に感染している細胞ではウイルスが作り続けられる結果、サイトカインも産生され続ける。アビガンやレムデシビルのような抗ウイルス薬は、感染細胞内でのウイルスRNAが作られるのを阻害するためウイルスそのものが産生されなくなるが、それでも一部のサイトカイン産生しか低下させない。
    3. 従って、新型コロナウイルス感染症では、抗ウイルス薬によって新しく細胞に感染しなくなっても、既に感染している細胞からのサイトカインが産生される限りその細胞周辺の炎症が続く。この炎症の持続が、抗リウマチ薬であるトシリズマブ、気管支喘息薬のシクレソニドや膵炎治療薬のメシル酸ナファモスタットなどが期待されている理由である。
  • PCR検査と感染性ウイルス

     
    • 新型コロナウイルス感染症では、咽頭のウイルスが発症と共に検出される。また、ウイルス量は10日がピークで、その後減少する。無症状の感染者にも鼻やのどには同等量のウイルスが存在するため、無症状感染者から感染する可能性はあり得る。但し、PCR検査はウイルスのRNAをチェックしており、ウイルス粒子そのものを検出する方法よりも1001000倍感度が高いため、症状がかなりなくなってからPCR検査で検出しても感染性とは相関しない。そして、PCR検査では、回復期には陽性・陰性を繰り返して、徐々にウイルスは消えていく。粘膜感染するウイルスでは、粘膜免疫が約半年続くため、3ヶ月までは再感染せず、6ヶ月くらいでは再感染するが発症せず、1年経過すると感染・発症するとされている。最近、新型コロナ感染後にPCR検査は陰性化したが、1ヶ月程度の間にPCR検査陽性となった例が報道されているが、コロナウイルス感染症では珍しいことではなく、ウイルスの完全消失までの経過で多く見られ、再感染は考えにくい。
  • アビガンの特徴

    • タミフルやゾフルーザなどの抗インフルエンザ薬では、感染細胞内でのウイルスRNAの産生には影響を及ぼさない。しかし、その後のステップで未感染細胞への感染を阻止することで感染の拡大を防止している。ところが、ウイルスRNAには頻繁に変異が起こるため、ウイルスRNAが産生されてしまうとタミフルやゾフルーザが効かない変異ウイルスが出現しうる。一方、ウイルスRNAそのものの産生を阻止する薬剤の場合、ウイルス粒子内にあるべきはずのRNAそのものが作れなくなるため、新しく感染させることができなくなる。これはアビガンやレムデシビルがもつ特徴である。アビガンについては動物実験で胎児に奇形を起こさせたため、人間に投与する場合には、妊婦や妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌であり、投与期間中~終了後7日間は避妊を徹底することとなっている。
  • 新型コロナ肺炎

    • 6時間で感染細胞から新しい細胞に感染してゆくので、1日で4サイクル分(24÷64)のスピードで肺内で感染が広がる。また、肺炎の重症化は予測しにくいため、肺炎を見つけたら発症後6日までにアビガンを投与すれば、早期に新型コロナウイルスを消失させることができ、重症化を防ぐ可能性がある。

白木先生の解説は上記のようなものです。新型コロナに効果のある薬剤について欧米・中国などで色々と検討されていますが、著効を示すものはまだ明らかにはなっていないようです。しかし、インフルエンザでもタミフルが有効なのは発症後48時間以内といわれていますので、アビガンにしてもレムデシビルにしても早期に投与すれば重症化を防げる可能性があるように思います。実際に、アビガンを投与された患者さんで、早期で軽症~中等症の方では、効果があったとの報告もあります。しかし、妊婦さん方には投与できないということで、アビガンの新型コロナへの使用を現時点では、政府が認可していないようです。

 

一方、血栓症や循環障害などの新型コロナによる症状・病状も報告されています。

先日も、『指の色が悪くて新型コロナによる症状ではないか?』と心配されてお見えになった方もおられました。お話を伺い、診察させて頂いて、まず新型コロナではないと思われるとご説明し、安心して帰っていただけました。

 

 まだまだ、新型コロナについては心配なこともありますが、今年は新型コロナ予防の手洗い・アルコール手指消毒の効果で、胃腸炎などが激減しています。

これからは暑くなって通常は胃腸炎が増える季節でもありますので、今後も手洗いなどを続けて下さるようお願いいたします。

( 2020.06.13 )

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